書評

助けたいと思ったら、助けちまえばいいんですよ。 【少しだけの書評】伊坂幸太郎 砂漠

2012年12月13日

伊坂幸太郎という作家が結構好きです。
結構どころか、ほとんど全作品ハードカバーで持ってるんですが、彼の作品の中に、「砂漠」という本があります。

この中に出てくるキャラクターとして、西嶋という学生がいるのですが
彼が面白い。 思い込んだら盲目、猪突猛進型で変にバイタリティあふれる学生。 そんな彼が、しきりに主張することがあります。

「たとえばね、手負いの鹿が目の前にいるとしますよね。脚折れてるんですよ。で、腹を空かせたチーターが現れますよね。襲われそうですよね。」

こういう状況で、君ならどうしますか?

「鹿を助けたいと思ったら助けちまえばいいんですよ」
と彼は言う。 自然の摂理を壊すとか、そんなこと考えたって、結局どっちが正しいかなんて分からないじゃないですか。
だったら助けちまって、そのあとで考えればいいんですよ、そんなことは。

というようなことです。 むちゃくちゃな論理ですが、そういう視点をひとつ持っておくのもいいかもしれない。 なんて思いました。

まあビジネスっぽく言えば、

●行動することが全体最適より悪いとは限らない
  全体最適の名の下に、当事者意識を捨てていないか?
  問題にコミットすることを避けてるだけなんじゃないか?
●客観なんて気にするな。主観で動け。
  他者の主観も尊重することが重要だけど、客観性を理由に自分の判断から逃げてないか?

というようなことですね。
覚えておこう。

photo credit: La Lince via photopincc

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