こんな本を読みました。
クラウド洗濯機みたいじゃない、本物の改善を意図的に起こすヒント【書評】リバースイノベーション
なかなか面白かった。
本の概要
すでにある製品を新興国で展開しようとすると、
うまくいかないことが多い。
新興国が発展すれば、いずれ先進国と同じものに
ニーズが発生するだろう、という
安易だが捨て去り難い思い込みがそこにはある。
だが、新興国はただ単に遅れているのではない。
遅れているから買わないのではない。
要らないから買わないのだ。
五つのギャップ(*)に気づき、ローカルニーズに基づいた新しい製品を開発しないと、受け入れてはもらえない。
そしてそれには大きな転換、すなわちイノベーションは、
新興国市場に留まらず、先進国市場にも逆流入する。
新興国であったニーズは、先進国にもあるのだ。
例えば、従来品の8割の機能で半額以下の価格のもの。
こうやって起こる、逆流入するイノベーションを
リバースイノベーションと定義する。
てな話。
*5つのギャップ
本書のキモ中のキモ。これを理解すればあとは具体的に頑張るだけ。
リバースイノベーションの機会を考える上で出発点となるのが、
富裕国と途上国との間にある五つのニーズのギャップ、すなわち
性能、
インフラ、
持続可能性、
規制、
そして好みのギャップである。
応用を考える
そもそも必要がないのにイノベーションを起こすのはむつかしい。
今までそこそこ売れてる製品ならなおさら。
たとえそれがジリ貧の傾向にあったとしても
緩やかである限り、ほとんどの経営者は
バージョンアップで現状打破しようとするだろう。
マイナスイオンテレビやら
はたまたスマホ便器やら、
実際そんな例は枚挙にいとまがないことからも分かる。
本当はみんな、現状の延長線上に答えがないことなんてうすうす分かってるのに。
じゃあ、延長線上じゃない、ノンリニアな革命的改善を起こすにはどうしたらいいか。
それを強制的に起こす手法として
リバースイノベーションの考え方を用いるのは
どうだろうか。
別に海外展開を考えてなかった
成熟してしまった製品について
あえて途上国で展開を図る。
強制的にイノベーションという溶解炉に投げ込むってこと。
(製品をそのまま持って行くだけでは売れないから)
新興国という新たな枠を与えられることで
創造性に火がつく。
だって、イノベーションって困らないと起きないもんね。
成熟してしまった製品なんて、困る点ないもん。
もちろん、新興国展開には多大な投資がいるだろうから
試しに、なんてわけにはいかないけど、
クラウド連携に開発資金かけるより
よほど実りが大きいんじゃないだろうか。
いかがでしょう。