永遠に生きるかのように学べ

ほぼ読書、ちょっと音楽、このごろキャンプ。

音楽を配信停止にするのは誰なのか?と考えてみるとわかりやすい。これから大事になる視点、アルゴリズムフェアネスとは。

 

f:id:seazee_htn:20200217193608j:plain

あなたは、 Googleをよく使いますか?

 

何言ってんだ、と思うかもしれませんね。今時、使ってない人に出会う方が難しい。じゃ、 検索結果として、20番目に出てくるページをクリックしたことはありますか?ほとんどの人は、ないんじゃないでしょうか。僕はありません。

これって、「検索した時点で、どのページを見に行くか、 Googleに決められている」と考えることはできないでしょうか。そりゃ、20番目のページをクリックする自由は誰にだってある。でも…?

そういうことを深く考えるのが、この本。

 

本の概要

アルゴリズムフェアネスとは、どういう概念か。分かりやすく端的に表している部分を以下に引用します。

どれだけ真っ当に頑張ってもグーグルの検索結果に上位表示されない企業、フェイスブックの投稿が表示されにくい人が生まれてくれば、それはその企業や人の自由が奪われている、ということです。

いかがでしょ。結構分かりやすいですよね。ネットと現実が密接に関わっている今、「何を誰の目に触れさせるか」その生殺与奪を握るGAFA。言わずと知れたGoogle,Amazon,Facebook,Appleのことです。例えばGoogleの検索順位は、どういう基準で決められているか。その決め方(アルゴリズム)はフェアなのか。そういう考え方、視点をアルゴリズムフェアネスと名付けています。

もちろん、GAFA自身もフェアであろうとしている。でも、それはGAFA自身から見てのフェア。いったいどのようであればフェアなのか?という考え方は、企業と個人でも違うし、米国と欧州でも違う。では僕ら個人として、GAFAに対し、どういうことに気をつけていかねばならないか。間違うとどんな影響があるか。GAFAだけじゃない。ITサービス全て、あるいは電子政府などについても、気をつけていかねばならないこと。

そうなると、ITリテラシーのもう一段上の能力が必要になってくる。もう一段上といっても、わかりにくいですよね。フェイクニュースを例にとりましょう。仮に、フェイクニュースを見抜く力がITリテラシーのひとつだとすると、もう一段レベルを上げて、「なぜそのフェイクニュースが自分の目に触れるようになっているか?」と疑問を持つ能力が必要になってくる、ということです。

 

なかなか新しい考え方で、読んで感心してしまいます。

 

あえてしょぼい問題にしてみる

なんとなくわかったけど、社会としてどう対応すべきか、個人としてできることはあるのか。大事な考え方だけれど、まだ雲をつかむような話、の気がしないでもない。

そう思っていたところへ、このニュース。

www.jiji.com

あっと思いました。そう、思い出すのは電気グルーヴの時の、楽曲配信停止。
あるいは逆に、ストリーミングなどによって無名アーティストを意識的に目に触れさせること。アルゴリズムフェアネスって、音楽の流通も例外じゃないんだ。楽曲を人の目に触れさせるのは誰なのか?逆に言えば、触れさせないようにするのは誰なのか?しかも、「フェアネス」だけじゃなく、正義や、なにより「聴きたいかどうか」というなんか英語にしにくい要素が入ってくる。いや、僕が英語下手なだけですけど。

でも、最初の方に説明した話よりも、「アルゴリズムフェアネス」って結構問題だな、と感じませんか。テレビ、新聞、そしてネット検索。誰が、どう決めているんだ。それは本当にフェアなのか。何を軸にフェアと決めればいいのか。

答えはすぐには出ませんけど、「ちょっと気をつけて見ていかないとな」という気になりますよね。その危機感が持てれば、あなたはアルゴリズムフェアネスへの第1段階をクリアしている、と思います。

じゃどうしていけばいいのか

危機感を持ったところで、どーすりゃいいんだよ。GoogleやAmazonに影響を与えることなんて、できるわけないじゃん。

と普通は思いますよね。
でもみんなが危機感を持てば、GoogleやAmazonの立場からのフェアネスに対し、物申すこともできる。別にGoogleやAmazonを否定する必要はないのです。便利なのだから、便利に使えばいい。実際、 Googleのおかげで、「駅から遠くても美味しい飲食店」へのアクセスが増えるなど、いい傾向もたくさんあるようです。だからと言って盲目的に受け入れるのではなく、使いながらも、アルゴリズムフェアネスからの視点を忘れない。そういうことが大切。

具体的にこうしよう、という行動を促すものではありません。まずはこういう考え方を持とうよ。と呼びかけている本だと、私は思います。

だから、「こういうところがためになった!!」とは言いにくい本なのですが…おすすめです。気がついたら、自分の情報を全て都合のいいように使われていた、となってからでは遅い。ちょっと早めから、アルゴリズムフェアネスという視点、取り入れておきましょう。

 

photo credit: aaron_anderer 2019-Ref2 via photopin (license)