書評 考察・意見

コロナで変わる世の中で、恐竜にならないために(仮想空間シフト レビュー)

新型コロナウィルスのせいで(おかげで?)、世の中のデジタル化がググっと進んでしまう感じになってきていますね。いろいろと、まずいかも。

ふつう、世の中はじょじょに変わる

何がまずいんだよ、いいことだろ?と思われるかもしれません。
確かに良いことです。でも・・・。

写真機が世に出てきたころ、「写真を取られると寿命が縮まる」って信じられていた、というのは皆さまご存じですよね。そう、新しく正しいものだって、受け入れられるには『じょじょに』なのです。しかし今は、じょじょにやってる暇はない。もう強制的に新しい生活様式を受け入れるしかない。
ネットがあって当たり前。ネット空間の中でも、現実と同じように活動できて当たり前。の世の中へ、強制的に変わっているわけです。ネットはネット、現実は現実、ではなくなってきている。ネットも現実の一部として使いこなさなきゃならない。
例えていうなら、オンライン飲み会みたいなものかな。飲み会なんて今まで、当然リアルでやるものだったでしょ?オンライン飲み会なんて、飲み会の意味ないやろ・・・ってみんな思ってたはず。だけどやってみたら、これが意外に良かった。

急に変わった時はどうしたらいいか

そう。オンライン飲み会はみんなもう、適応した。じゃ他のことは?
世の中が変わっちまった以上、他のことだって適応しなきゃしょうがないよね、どうしたら適応できるかな?というのがこの本です。

この本を読んで一番いいことは、「よっしゃ、僕も適応しよ」という心持ちになること、です。

まずコロナの前から、「世の中がどういう風に変わってきたか」「なぜ変わってきたか」が説明されています。そこを対談形式で読むことで、ちょっとずつ分かるんですよね。あー、そういう流れがあって変わろうとしていたのだな。コロナは加速するきっかけに過ぎなかったのだな。ということがわかる。そうか、いつか変わらなきゃならなかったのか。だったら変わろうかな。

変わることがいかに難しいか

しかし、世の中の大半の人が変わる、ってのはそんなに簡単じゃない。前述の写真機の例もそうですけど、もうひとつ例を挙げておきますね。

地球は太陽の周りをまわっているんだよ、という地動説。あれ、発表されてガラリと常識が変わった、みたいに思っていましたけど、違うんですね。世の中に受け入れられるまで、なんと300年もかかっている。300年ですよ…。

note.com

何百年も続いてきた常識が変わるってのは、それぐらい大変なことなんですね。

変われないとどうなるか

大変なことはわかるけど、変われないと、終わる。新しい世界はもう始まっているのだから。新型コロナのワクチンができても、それは変わりません。だってコロナはきっかけに過ぎないのだから。

変われなかったら、オフラインの世界だけで生きていくしかない。変われた人は、オンラインとオフラインを自然に組み合わせ、安くていいものを買ったり、不要なものをお金に変えたり、比較的リーズナブルにオーダースーツを作れたり、自分の意外な面に気づいて世の中に貢献出来たり…。

仮に自分は変われないとしても、それはそれでいい。でもどうしても避けたいのは、変われた人の足を引っ張ることですね。そういう、恐竜みたいな人にはなりたくないなあ。

うるさくて頭の固いジジイにならないために

自分は新しいテクノロジーに順応できないとしても、順応してる若い人たちを認めるような存在でありたい。でもそれって、一番難しいよね。自分がメリットを受けていないものを、認めるにはどうしたらいいのでしょう。

そのヒントも、「仮想空間シフト」の中にはあります。つまり、楽観主義。わからないものは信じる。というか、試してみる、かな。「老害にならない」とか言っても、具体的にどうしたらいいか、わからないでしょ?でも、「新しいもの、世の中で受けているモノはとりあえず試してみる」なら、意識してできますよね。なるべく、そういう爺さんになりたい。

 

その他おもしろい点

 他にもいろいろと示唆に富んでいる部分や、面白い部分はたくさんあります。でもこの記事の論点がぶれてしまうので、箇条書きにしておきますね。(一部、私の意訳あり)

  • (野菜の)レタスって、値段の半分は運送費。ってことは、地産地消が本当に実現したら?テクノロジーでそれは実現しつつある。
  • 「生活のための仕事」と、「今は儲からないが将来伸びるかも、という仕事」をバランスよく持つ
  • 上記の点のためにも、様々な分野で活動する。そのための手間やコストは下がっているから。やりたいことをやってみる。

なんだかうまく書けませんでしたが、この本、お勧めです。トークショーを横で見ているような、楽な感じでこれから進む方向が分かってきます。

photo credit: NatriumChlorine Tyrannosaurus DSC02512p via photopin (license)

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