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少しずつ分けて考える、最強の考え方。Open to Thinkレビュー

「考える」とは何でしょうか?

 

考える を分解できるか

よーく考えると、「考える」という言葉は、指し示す範囲が広すぎる。って、自分でも何言ってんのか分からないですが…

例えば「食べる」という作業を分解してみましょう。
<食べる>
1.箸でつまむ
2.口に入れる
3.歯で噛む
4.飲み込む
5.消化する

一言で食べるといっても、こんな風に、分解できるわけです。では、「考える」は?分解して表現すると?

…どうですか?僕は、できませんでした。
そうです。考えるって、実はかなり不明確な行動なのではないでしょうか。だから「うまく考える」ってことが、難しい。考えるプロセスの、どこをどう直せばいいか分からないから。

仕事でもあるでしょ?インプットを与えられて、考えてアウトプットを出したら「そうじゃないんだよ」って言われる。なんでよ?どこまで合ってて、どこから違うのよ?それがわかんないなら、次から直しようがないじゃん!

そこで、この本です。

どういう本か

これは「考える」を、わかりやすく分解し、各ステージごとに重要なポイントを示してくれる本。
今までにも、いろんな思考法が提唱されてきましたよね。ロジカル思考、クリティカル思考、デザイン思考にアート思考。などなど。それらはもちろん有用だけど、万能じゃない。いつ、どのような場面で使うかを見極めるチカラが必要になる。道具を持ってるだけじゃダメで、道具の使いどころを間違えないことが大事。難しいなぁ。

例えば、「選択と集中」ってよく聞きます。ある人はそれを有効だといい、ある人はダメだという。どっちやねん!と長いこと思っていましたが、どっちが正しいとかじゃない。実はどの段階で「選択と集中という考え方を適用するか」という問題だったのです。初めて気が付いた。

思考をフェーズ別に分解する

この本で提唱されている「オープン思考」というものは、3つの段階から成ります。例えば、問題を解決することにこの思考を使うとすると、
1.クリエイティブ思考
 物事を、常識や先入観にとらわれず広くとらえ、解決策(アイデア)を考える
2.クリティカル思考
 解決策は本当にそれでいいか?様々な面から検証してロジカルに考える
3.アプライド思考
 解決策の実行に集中し、どうしたら実行しきれるか、考える
てな感じです。どれかひとつができている人は多いけど、みっつともできる人は、なかなかいないよね。皆さんの周りはどうですか。

さて、上記3つのフェーズは理解しつつ、さらに、
・フェーズ別に、重視するものを変えて考えること。
・常に考え、フェーズを行ったり来たり戻ったりすることを、恐れないこと。
どうやらそれが大切なようです。

この「オープン思考」が出来たら最強だなあ。

3つのフェーズなんて、言われてみれば確かにその通りだけど、今まで気づかなかった。こんな風に「考える」をフェーズ別に分解するなんて。
だけど、この本を読むことによって、フェーズごとに考え方を変えることはわかった。分かった以上、あとは訓練するだけ。最強の考え方は、徐々に身についていくのではないでしょうか。こりゃ実践するのが楽しみだ。

この本、おすすめです。

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