書評 考察・意見

生きるということについて、いままでにない考え方をくれる本。森田真生「僕たちはどう生きるか」

あけましておめでとうございます。せいじです。

2026年の元旦に、たまたま起きて初日の出を拝み、この文章を書いています。

初日の出を拝みにベランダへ出たら、何キロも先の遠くの建物が、とてもクリアに見えた。
天気がいいのもありますが、交通量が減って空気が澄んでいるのだと思います。昨日、大みそかの21時で、歩いている人も、クルマもすごく少なかった。

何日も交通量が減ったわけじゃない。ただ一晩、減っただけでこんなによく見えるんだ。台風の翌日よりも。
そういえば、新型コロナの最盛期は、世界じゅうのビーチで、海がめちゃめちゃきれいになったニュースがあった。
もう忘れてたけど、大みそかに読了したこの本に書いてあって思い出しました。

どういう本か

こんなに不思議な本は、初めて読みました。著者 森田さんの本は、今までも買ったり借りたりして読んでいますが、それらを含めても、こんな本は初めてです。あ、買ったより借りたほうが多いですけどね。つい見栄張りました。

なにがどう不思議なのか。言葉で表すのは難しい。本に書いてある文章を読んでいるのに、言葉じゃないものが、伝わってくるからです。
書いてあることはそんなに難しくありません。極端に言えば、森田さんの、ただの日記です。

いや、「ただの」じゃないな。「僕たちはどう生きるか」というテーマに沿った日記。
新型コロナのパンデミックの中で、人と触れ合うことを避け、結果、日々の生活として自然と触れ合い、何かを感じ、今まで読んだ本や聞いた話がつながり、何かを考え、日記として記す。その積み重ねの文章。

積み重ねるうちに「人と接するのと同じように、土や、虫や、川や森と接する」境地に至る。それが「僕たちはどう生きるか」ということ。

どう生きるか、をまずどう考えるのか

「人間も地球の一部」なんて、言葉ではわかりきっています。でも普段僕らは、環境と、それに対峙する人間 でとらえている。環境破壊って言う時に、人間を含んだイメージで言う人います?

この本を読むと、その規模と水準に思考が持ちあげられるのです。いや、下げられるのかな。「人間とその環境」という優越意識から下へ。別に、声高にそうしなさいと主張されてるわけではありません、ただの日記なので。森田さんが、日々触れたものから、「僕はこう考えるに至った」という穏やかな話があるだけです。でもだからこそ、読者に沁みこんでくる。理屈じゃなくて、そのほうがいいような気がするな。ひとつの生き物として、なんとなく。

森田さんが書く、文の手触りにもよるので、全員には響かないかもしれない。けれど、できれば読んでみるの、おすすめです。2025年最後に読んだ本がこれでよかった。この本のおかげで、たぶん2026年は、世界の見え方、世界への接し方が変わるのだと思います。

僕なんてね、ただの僕でしかないわけですよ。そっから始めるのも悪くない。そうしてみよう。

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