書評

水ビジネスについての知識を持っておこう。

前々から興味があった水ビジネスについての本を読みました。

角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 新書
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  • 知識を仕入れる系の本なので、
    なかなかレビューは書きにくいが…

    牛丼一杯作るのに2000リットルの水が要る
    という話は、聞いたことがある人もいるでしょう。
    牛や米を育て加工・調理するまでに必要な水の量です。

    これを踏まえると、
    食糧自給率が低い日本では、
    それだけ海外の水に依存してるということになる。

    つまり、「日本ほど水の豊かな国はないから
    世界が水不足になっても安泰だぜぇ〜」
    とか思ってたら大間違い。
    アメリカで農業用や酪農用の
    水の価格が高騰すれば、アメリカ産牛肉の価格が上がる。
    つまり日本で牛丼の値段が上がる。
    全然安泰じゃない。
    また、水がいるのは食糧を作るときのみならず
    様々な工業製品を作る時も同じ。
    工場から出る排水があれだけ問題になるってことは
    それだけ工業にも水が使われてるってこと。

    だから世界的に水不足になったら影響範囲はもう、
    ほぼ全部の商品とも言える。

    てなわけで、水問題は思ってるより結構深刻。
    という話を手始めに

    ・水資源の世界配分
    ・ものを作るのにどれだけ水が必要か
    →水は飲食だけでなく、工業力などにも関わる。
    ・水をめぐる紛争の概況
    ・水メジャーあるいは各国がいかに水ビジネスに取り組んでるか

    などなどといった話が展開されている。

    いろんな切り口から解説されていて
    水に関する問題の概要、状況を立体的に把握できる。

    たぶん、シンプルだけど簡単じゃない問題であって、
    たった一冊読んだだけで水問題を知った気になるのは危ない。
    だが少なくとも概要はつかめる。
    概要をつかむだけでも、見えてくるものは今までとは違うだろう。

    いろんな資源について言えることではあるが、
    特に水は、いまのままがいつまでも続くと思ってると
    諸外国に良いようにやられそう。
    読んでおきたい一冊です。

    現に、外資が受託してたよね。

    できれば、水についてあと数冊読もうと思う。読む自信ないけど。

    -書評