書評 考察・意見

わかりやすく話すために、あなたには何が足りないのか

この本、とても良かったです。

何のために話すのか

ひらがなで話す、ってどういうことかな…と考える前にまず、質問です。

あなたが言葉で話をするのは、何のためですか?

そんなの、「言いたいことを伝えるため」に決まってるだろ。

そうですよね。では逆に、話を聞く立場で思い返してみましょう。
「あの人の話、いつも分かりにくいんだよな~」って人、周りにいませんか?そういう人って…

 

そーなんです。実は伝えるためじゃなく「話すために話している」人。
喋ってる自分が気持ちいいだけ。周りの人は、あんまり話を理解できてない。

 

あなたの話が伝わらない仕組み

なぜあなたの話は伝わらないのか。
それ、『聞いてる人には、ひとつひとつの音でしか、届かないから』です。あなたが四文字熟語を話そうが、カタカナの外来語を話そうが関係ない。話を聞いている相手には、あいうえおの五十音でしか届かないわけです。

そりゃそうだわな。声ってそういうもんだもの。声で漢字を表すなんて無理。

そんなこと誰でも分かってるはずなのに、実際は?

そう。あなたは漢字、カタカナ、「、」や「。」、時にはアルファベットまで交えて話してる(つもり)。相手は、あいうえおの五十音でしか聞き取れないのに。

このギャップが、あなたの話が伝わらない原因なのです。

ならばあなたも、五十音で話すようにしないと伝わらないよね。
本書ではこの、「漢字カタカナを念頭に置かず、あいうえおの五十音で話す」ことを「ひらがなで話す」と表現しているわけです。

だんだん、分かってきたのでは? 

どうしたら話が伝わるか

じゃあどうしたら、相手に伝わる話になるか。

答えは「相手の目線になって話す」です。耳で聞く場合なので、目線じゃなく耳線というべきかな。聞いている相手にまっすぐ気持ちを向け、聞き手の耳を持ったつもりで話す。それが極意。

でも、聞き手の耳を持つって、分かっていても難しい。

じゃ、どうしたらいいでしょう?

秘訣は「形から入る」ことなんです。聞き手の耳になろうなんて、いきなり言われたって無理だもんね。だからこの本では具体的に、こういう話し方を真似したらいいんですよ、というポイントがいくつも書かれています。別に一度でマスターしなくていい。ポイントをひとつ真似するごとに、あなたの話はひとつずつ、わかりやすくなっていく。

例えばこんなポイント。ちょっとだけ、紹介します。

・句読点をつけて話す
・使う言葉は「簡単すぎる」くらいがちょうどいい
・野球の例え話をしてはいけない
・話していて「気持ちいい」と感じたら危険信号
・声の大きさを変える
・「おもいます」はここぞという時だけ使う

いかがでしょう。ちょっと真似したくなってきませんか。この本、お勧めです。

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