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認知心理学の本を読んだらセロリの歌詞を思い出した。「人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学」レビュー

どうも、学習欲が強みだと自分で思い込んでるせいじです。

最近、朝の電車でイラついてしまうことがあるんです。同じ駅から乗るひとりの男性が、大きなリュックを背中に背負ったまま乗るんです、結構混んでるのに。

学生ならまだ仕方ない。でも、どう見ても30代かそれ以上。「その歳でそれかぁ…」と思ってしまうのです。
もちろん、何にも言いませんよ。ただ、イラッと感じる自分を、感じないようにしたいなあ。イラついたって何にも変わんないんだもの。

坐禅でも組むしかないな、と考えていたのですが、いい本に出会いました。

どういう本か

長らく認知心理学を研究してきた筆者の、学生に向けた最後の講義、という本です。

中味をひと言で言うと、「人間ってどうしてこんななの?」という話。それを認知心理学の観点から説明してくれる。講義だけど「認知心理学とは何か」という話じゃないんです。

家族でも恋人でも、それこそ電車で乗り合わせた人でも「なんでアイツはこんなふうなんだ?!」て思うこと、あるでしょ。それを説明しようとしたら、たまたま認知心理学が使えた、という感じです。だから分かりやすいし、『人生の大問題と正しく向き合う』というタイトルになる。まあ私の場合、ちっさい問題でも役立ちました。

全ての悩みは人間関係がもとだ、という本が以前ヒットしましたが、その人間関係をさらに分解してみると…
・この状況をなんで分かってくれないんだ?
・これを見てなんでそういう言動になるんだ?
の積み重ねでしょ。ここに認知心理学での理解が効くというわけです。

セロリの歌詞を思い出す

そこで思い出したのが、山崎まさよしの「セロリ」という曲です。古いって言われるだろうけど、これよりぴったりくるの、あるんかな。

育ってきた環境が違うから
好き嫌いは否めない
夏がダメだったり セロリが好きだったり するのね

人間てのは認知、つまり雑に言えば思い込みを元に動いている。なぜそういう思い込みになるのか?は、その人がこれまで見聞き経験してきたものによる、というわけです。こう文字にすると分かりきってる気がするけど、実感としてわかってないから相手にイライラする。

逆に言えば、イライラするのはあなたの性格が悪いわけでも、相手が無神経なわけでもない。単に人間てそういうものだから、なのです。

(自分と相手の感覚が)合う可能性があると思ってるから、合わなくてイライラする。合うわけないと思えたら、少しはイライラが小さくなるし、イライラする(心の狭い)自分も許せる。後輩が永遠に後輩だからって、怒る奴はいないでしょ。それぐらい当然だってことです。

思い込み(認知)は悪者なのか

こう書いてくると、「思い込みがなければ良いのに」って思いそうになりますが、どっこい思い込みにも良いところが沢山あるんです。何よりスピードが早い。

何でも間違いないまで確認する人は、仕事にならないぐらい遅いですよね。全てが「前回と同じとは限らない」なんて言ってたら、朝、会社に行くのすらめちゃ時間がかかるわけで。電車は予定通りくるだろう、という思い込みがあるから、ほどほどの通勤時間ですむわけです。

電車でいうなら、天気や季節、イベントの有無なんかで僕らは「時間通りに来る確率」に補正をかけていきます。

そう。スピードと正確さのいいとこ取りをするなら、要は「思い込みの精度を上げる」ことが大事。そのためにはどうしたらいいか。認知のクセを理解した上で、物事に向き合うと良いことあるよ、という話も本書は触れています。というか、そこがメインです。

そんなわけで、私にとってはたまたま「イライラを減らすヒント」になりましたが、読む人にとって、あるいは読む時期によって、役立つ場面は様々なのだと思います、この本。

最後に

書いているうちに、だいぶ本の内容と離れてしまった気がするので、「この本はそんな事書いてあるんじゃない!」て言う方も居るでしょう。でも面白いことに、それこそが思い込み・認知の違いになっている。ほかの読者と同じ解釈、同じ書評だったら、私が書く意味がないわけで。ある意味、認知の違いがクリエイティブの源泉ともなるわけです。

この点を私が勝手に解釈するならば、「あなたは、他の人と違ってあなただからこそ、ここに居る意味がある」みたいなことにつながってくると思うんです。ちょっと、希望がありますよね。

おすすめです。

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