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カリスマ性に頼らないチーム作りの方法

あなたのチーム、うまくいってますか?

おすすめしてもらって、こんな本を読みました。とても良かった。

 

どういう本か

いいチームを作って、高い成果を出すにはどうしたらいいか。とにかくそれを説明した本です。事例を示したり、学術的背景を示したりしながら、体系的に説明してあります。チームの要素(メンバーとか、モチベーションとか、目標とか)というものを分類して、要素ごとにどうあるべきか、を丁寧に説明してくれるので、非常にわかりやすく、また少しずつ真似していくのに良い。

チーム作りで一番大切なこと

この本のメインメッセージをずばり、ひとことで言うと。

いいチームには、法則がある。リーダーの資質やカリスマ性じゃない

ということなんです。どうですか、リーダーの皆さん。すごく希望がありますよね。だって、「チームはリーダーのカリスマ性で決まる」なんて言われちゃったら、どうしようもないでしょ。「うまく行かなかったら、リーダーを変えるしかない」って言ってるのと同じなんだもん。

ところが嬉しいことに、違うんですよ。「法則にしたがってチーム運営をしていけば、いいチームが作れる」と言ってるんですね。あぁ、なんて救いのある…。

もうひとつ私が嬉しかったのは、「チーム作りには最適解がある」という主張です。今の時代、学校を卒業しちゃったら、解があることなんてめったにないでしょ。まして、チーム作りなんて人間相手だから、毎回はじめてみたいなもんだと思ってた。
ところが違う。チーム作りには、法則があって、それを地道に実現していけばいい。ということなのです。ありがたい!
まあもう少し言うと、最適解であって唯一解じゃない。「自分のチームは、今、どのパターンに当てはまるのか」を見極める必要がある。それが結構難しそうなんですけどねぇ。でも、今までは「毎回はじめてみたいなもの」だったのが、「この中から、どのパターンに当てはまるか選べばいい」になるだけで、リーダーとしてはかなり気が楽でしょ?

最も実践が難しいこと

ただ、この本を読んで「それは実践が難しいかもなあ」と思ったことがひとつあります。『チームメンバーを選ぶこと』です。誰に入ってもらうか。あるいは、誰に抜けてもらうか。この点がめちゃくちゃ重要だ、と本書は言うんですけど、人の出入りをコントロールできるチームリーダーって、かなり偉い人じゃないと無理なんじゃないかな。プロジェクトリーダーなら、いると思いますよ。だってそのプロジェクトのためだけに集まって、終わったら解散だもんね。だけど会社の組織、例えば課長や係長クラスで、自分のチームメンバーを入れたり出したりは…難しいよねぇ。

そこはもう少し考えていこうと思います。
なんにしても、この本、なかなかおすすめです。

 

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