永遠に生きるかのように学べ

読書、読書、キャンプ。

人生100年時代、最も必要な準備を示してくれる本。

 

握手をしているビジネスマンのイラスト「若者とおじさん」

あなたは何歳まで生きますか?

 

人生100年時代、という言葉が言われてまあまあ経ちます。僕らが子供のころに珍しかった、90歳超えの高齢者も、いまでは普通によく会います。本当に人生100年になっていくのだろうな。

そんなこんなで、人生100年時代に備えて僕らは何を準備すればいいのか。いろんな本がそれを教えてくれますが...一番大事なものが、この本にありました。

この本で何を得たかったか

私はシステムエンジニアをしています。しかし、新しい技術がものをいう世界。SEは35歳までが限界だ、なんて説もある。ならば自分は今後、どういう方向へ行くのか。プロジェクトをうまく完了させる、プロジェクトマネージャーを頑張るしかないのだろう、と思ってはいましたが、なんとなく迷いがあるのも事実。

それでこの本を手に取りました。技術とハードワークで道を拓くスタートアップに、年長者だからこそ貢献できるというのです。

自分が興味あるスタートアップ分野。「若いときにこんな時代だったらなあ」なんて不毛な想像するんじゃなく、いまからでもやれることがある。それはなんだろう。

それを知りたかった。

どんな本か

モダンエルダーとは、現代の年長者。ってそれじゃ直訳しただけか。ひとことでは表しにくいですが、「上から目線じゃなく、経験と知恵で、職場がうまくまわるように取り計らえる人」みたいな意味です。ドラマとかでたまにあるでしょ。会社で皆が困ってるとき、普段目だたない掃除のおじさんが、ふらりと現れて、ちょちょっと解決して去っていく...みたいなやつ。あんなイメージですね。

この本では、テクノロジーに詳しいわけでもない50代の著者が、airbnbに入社して活躍していく様子が書かれています。もちろん著者本人の話なので、単なる物語ではなく、試行錯誤や、分析から産み出された「モダンエルダー」になるためのコツ、考え方にまで昇華されています。その気になれば、明日からでもできる。

簡単に言ってしまえば、自分の持てる知恵は惜しみ無く与えつつ、若者から積極的に学ぶオープンな姿勢でいること。学ぶ姿勢が、謙虚さを生む。知恵で貢献するから、卑屈にもならない。とてもよいスタンスになるわけです。

そうそう、老害じゃなくこんな先輩になりたかったよね、という感じ。

本書で得た最も大事な点

この本はひとことで言えば...40代なかごろから「今のままで良いのかなあ」と迷い始めた我々が、今持てる力を最大に活かすヒント、ということになります。それだけでも十分だけど、この本の最も凄いところはここにありました。

過去の荷物を全て背負ったままでは、今を学ぶことはできないし、他の人たちから学ぶ余裕もない。

そう。人生100年時代の準備とは、何かを得ようとするのではなく、捨てること。40年なり50年生きてきたうえで、「アイデンティティ(自分はこういう人間だ)を捨てる」ことが最も大事だったのです。これに気づかせてくれたのが、この本のもっともすごいところ。
そりゃそうだよね。40代にもなれば、職場ではベテラン。今までの経験と築いた立場から、どうしたって今までの延長線上に進もうとするわけです。これは惰性かな…と小さい声が聞こえたとしても、聞こえないふり。わざわざ、未経験の分野へ飛び込もうとは思わない。

ところが。

未経験の分野に飛び込もうが、周りが若い人ばかりであろうが、我々は既に「どこでも役に立つはずのもの」を持っているのです。それが知恵。
持っているものが役立つかどうかは、姿勢次第なのです。姿勢によっては、上から目線で頭の固い厄介者にしかならない。今までの実績を忘れ、学び、貢献する姿勢を持てば、あとは場を選ぶだけ。現状維持でジリ貧になっていくよりも、ずっといい。

ここまでで、あんまりピンとこなかった方は、映画「マイ・インターン」を見ることをお勧めします。私は主人公と違って70歳ではないけれど、めちゃくちゃ染みました。この本の言いたいことがわかりやすく表されています。

モダンエルダー、おすすめです。このままでいいのか、迷い始めた40代の方は特に。

photo by いらすとや