考察・意見

値段のないラーメン屋と綾鷹における問い

値段のないラーメン屋が実はラ王袋麺だった、て話題になってましたね。
汐留にオープンした「値段のないラーメン屋」で値段のないラーメンを食べてきた!(新橋)
「値段のないラーメン屋」は日清ラ王の袋麺だった!!

適切だと思う価格を書いていってください、という店。
すごく面白い広告手法だと思う。
こんなアイデアあふれる広告が多くなったら楽しい。

ただ、ここには巧妙な勘違いが紛れ込んでいる。

評価時から発表時までに情報が増えたことで
判断基準がスライドしているのだ。

評価するとき、
全部作ってくれて、自分は食べるだけ。
食べる側は、ほとんどの人が自然と
「お店で出てくるラーメン」と比べて
いくらが適当か判断する。

したがって、平均545円という評価は、
「東京のお店で出てくるラーメン」という前提で考えると、
決して高いものではない。
 ※半分の量、具なしだから評価が低い、
  無料で提供されているものに高価格はつけられにくい
  という点ももちろんあるでしょう。

しかし結果発表のとき、
「袋麺でした」という情報と一緒に聞くので
受け取る側は、袋麺の価格よりはるか上だ、すごい、
と思ってしまう。

評価をもらう時は「お店のラーメン」が前提、
発表する時は「袋麺として」が前提になっている。
もちろんどこにも、そんなことは書いてないし
袋麺とバレなかった、という点で
従来の袋麺よりもそうとう美味しいんだろう。

しかしながら545円という推定価格は、
「お店のラーメンには勝てないよね」という点も
反映されてて面白い。
食べた皆さん、けっこうしっかりした舌をお持ちで。

これをみて思い出すのが、お茶「綾鷹」の広告。
「急須に入れたお茶に最も近いのは?」という問い。
決して、「最もおいしいのは?」と聞いているわけではない。
「そんなとこで勝負してねーよ!」っていう
他メーカーの声が聞こえてきそうです。

問いの設定によって
うっかりコントロールされないようにしないとね。

ま、自分で書いてて、
「皆が分かってることを偉そうに解説してんじゃねーよ」
という気もしますけども。
電力が足りる足りない、消費税を上げる必要があるない。
そういった問題を見抜くチカラにも通じると思っています。

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