書評 考察・意見

天は二物を与えうるってこと。

2012年8月20日

二刀流は誰でも出来るのか、そうでないか。それを考えるヒントとなる本を読みました。

どういう本か

誰でも強みがあり、それを伸ばすことで他の人にはむずかしいほどの成果を恒常的に出すことができる、という話。
それだけ聞くとちょっと眉唾ですが、ちゃんと脳の仕組みなどまで言及してあって、説得力があります。

すごく良いのが、強みの診断ツールがついているところ。
私の強みは

・学習欲
・戦略性
・収集心
・親密性
・内省

だそうです。
才能とは結局、「あなたはこの時、どう行動するか」という行動特性であって、絵とか音楽とかいった、「やること」ではない。WhatじゃなくてHowだ、ということです。幼少の頃から、特定の行動特性が繰り返されることにより強化され、強化されるから余計にそういう行動を取る傾向が強まり、その結果として、才能と言えるほどの強みとなる。なるほど。

結構、納得しました。

天は二物を与えうるのか、って、よく話のテーマになるでしょ。
例えば宮本武蔵。剣豪としてはもちろんだけど、水墨画もすごい。理科系の学者でありながら文筆家としても名を知られる、寺田寅彦のような人もいるし、身近なところでは、スポーツ万能で勉強もできる人とかもいる。そういう人は、ほとんど人種が違うみたいに思ってた。だけど、才能というものが行動特性であるなら、そんなにとんでもない話じゃない。

脚力がすごい人が、冬はスケート、夏は自転車でメダルを取るようなものだ。
天から二物を与えられた人ってのは、そういうことだったんだ。

大谷翔平氏という最大の証明が現れた

上記の大部分は、もう10年近く前に書いた文章なのですが、最近、ふたたび思い出しました。そうです。野球の大谷選手の登場です。二刀流って、すごくわかりやすい「天からの二物」ですよね。

しかし最近、大谷選手を作り上げた秘訣が明らかになってきている。10代の頃から自己研鑽の本をよく読んでいたとか、マンダラートを書いていたというのが、すでに有名な話となっています。
そうです。二刀流 大谷選手を作り上げた最大の要因は、「壮大な目標を掲げ、学び、そこに向かって着実に磨き上げていく」という行動特性だった。もちろん、恵まれた体格や優れた視力など、天から与えられたと言えるものはあるでしょうけど、それは他の選手だって持ってるでしょ。他の選手は持っていなくて、大谷選手だけが持っているものは何なのか、と考えると、やっぱり行動特性なわけです。

自分の強みを最大限に活かしたアプローチをすれば、どんな分野でも、大きな成果をあげることができそうな気がしてきた。そんなわけで、さっそく「戦略性」「内省」を活かしていろいろと思いを巡らせているところです。

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