書評

人工知能って結局何するものなんだ。人口知能は人間を超えるかレビューその2

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

もはやこの本のレビューは逸脱し、僕がどう理解したか、という話になっていますが、
手軽におおざっぱに、人工知能について知りたい方は
引き続き読んで頂けると幸いです。

前回からの続き〉
で、ディープラーニングってなんなんだ。

どうやら、前述のニューラルネットワークを
めちゃくちゃ多段に積み重ねたものらしい。
なんだ、結局、力業なのか・・・。

これ意外でした。てっきり、全く新しいやりかたが出てきたもんだと思ってた。
昔に考案したけど出来なかったやり方が、
コンピューターの進化で
今ならできる というケースなんですね。

CPUの計算速度がどんどん上がったこと、
データの蓄積コストがどんどん下がっていること。
通信スピードがどんどん上がっていて、
他のコンピューターと連係しながら計算するのが
当然になってきてること。
それらをもって、今まで出来なかったほどの規模とスピードの
ニューラルネットワークを作れるようになって
「力業」が実現できるようになってきた、ってことなんです。

なるほど…
なんかあんまり感動がないな…力業か…

ところが、この力業だけじゃディープラーニングは
まだ生まれなかった。

ここで「そもそも人口知能って何だ」という問題に立ち返る。

人口知能と人間の違い。

言い換えれば、何を以て「人工知能は人間に近づいた」というのか。

それはひとことでいえば、
「認知と判断」ができるかどうか。

もともとコンピュータは、はっきりしたインプットから決められたアウトプットをするのは得意。
0の時、こうしろ。1のときは、こうしろ。とか。

でも、ふわっとした情報からの「判断」は、できない。
何を以てどう判断するか、をすべて教えてあげないと。
猫の画像を見て「これが猫です」って判断するのはめちゃくちゃ難しいのだ。

試しに「猫を知らない人が、猫を初めて見てもそれとわかるように」言葉で説明してみて欲しい。
ひげがあって、耳が立ってて、四つ足で、目がふたつ、口と鼻がひとつ・・・
え、それって犬と何が違うの?
鳴き声?ニャー?
さっきアメリカ人に聞いたら、猫はmewって鳴くんだって言ってたよ。

もーええわ、そんなんいちいち教えられるか!
ってなるでしょ。しかも猫ひとつでこれ。

そのうえでちょっと想像してみて。
家の中で、人工知能を搭載したロボットに「ちょっとハサミ取って来て」って頼むのに
どれだけのことを教えねばならないか。
ハサミってなに?これはハサミじゃないの?なんで?どこが違うの?・・・
気が遠くなるでしょうが。

これが、人工知能の実現が難しかった最たる点、なんですね。

仕組みは、できた。
だけどやっぱり、「こういうのが猫だよ」など世の中の概念を教えるのは難しい。

さてどうする?
まだ続きます。

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