書評 考察・意見

目先の問題につい取り組んでしまいがちな人へ。本当の解決にたどり着くための地図を手に入れよう。

それって本当に解決になるの?
って思うこと、ありませんか?例えばこんなニュースとか見て。

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もちろん、茨城空港の内情はわからない。だから正しい解決策なのかも。

でもね、内情よく知ってる自分の会社でもよくありますよね。それ、本当の解決になってないんじゃ…?ってこと。わが社でよくあるのは、業績上がらない時の売上コンテスト。いや、売れない理由が”営業マンのやる気”なら、コンテストで伸びるかもよ。でも本当にそれ?商品に魅力がないのでは?あるいは営業マンがその商品売る気ないとしても、他に売りたいものがあるだけでは?とかね。

 

さて、他人事なら「ズレてるよね~(笑)」で済むんですけど…自社の問題だと笑って済ますわけにもいかない。問題、解けてますか。あるいは納得した解き方できてますか。

うまく解けても、たまたまじゃないですか?認めたくないけれど。

 

そりゃ何回も問題にぶちあたってれば、上手く解けることは増える。でもやっぱり、ひらめきに頼ったマグレや、長年の勘じゃなくて「解くべくして解きたい」ですよね。目をつぶってバットを振るんじゃなくて、ヒットを「打つべくして打つ」みたいな感じ。イチローだって言ってたでしょ?「僕は、なぜ(今の打席で)ヒットを打てたのか説明できる」と。言葉で説明できるノウハウがあるからこそ、いつも再現できて、一定のクオリティを出すことができる。問題解決だって同じでしょう。そのためには、きちんと問題解決の基本をやらないとダメなんだろうなぁ…。

なんて思ってたら、ここに「打つべくして打つ」方法が発表されました。

 

答えのない問題でも、解く手順って、そんなに山ほどあるわけじゃない。基本をしっかり押さえたら、何とかなる。特にビジネスにおいては。
「問題解決って、何が問題かを定められたら解けたようなもんだ」なんて言う人もいます。似たような話は、他の本でもあるかもしれない。この本ほど分かりやすく、体系的にまとまっているか、という点は疑問だけれども。

 

ただ。

この本がすごいのは、あるべき論じゃなく「知っててもなかなか出来ないよね」という前提に立ち、それでも問題を解くためのフォローがあるところなのです。

この本いわく、

●粘って考える
●自分の心が思わず動くことで考える

などなど。こんな事が書いてある問題解決の教科書は、珍しいんじゃないかな。実際、このあたりのアドバイスに沿って日々問題解決に取り組んでると、打率が上がってくるのを実感します。自分でもまあまあ納得できる解を導ける率があがる、ってこと。

 

なかなか、おすすめです。特にこの問題解決の「地図」という表現にグッと来た人には、ハマるんじゃないかな。
ま、肝心なのは解決策の実行なので、これで安心したらダメですけどね。

photo credit: verchmarco Turm aus Rubik's Cubes mit einigen verdrehten Zauberwürfeln via photopin (license)

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