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スピードが求められる時代に、競合に対して勝ち続ける仕組みとは?書籍「ダブルハーベスト」を読んで得たもの。

2021年5月18日

どうも、学習欲が取り柄の読書屋、せいじ(@twi_sei_ji)です。

ダブルハーベストという本を読みました。農業の本じゃないですよ。

この本を読むことで何を得たかったか

最近の新しいサービスって、一昔前の常識で見たら狂ってるみたいなものが多いです。メルカリとか、いまだにほぼ赤字。せっかく黒字になってもさらに投資を続ける。先日まで話題だったClubhouseだってそうです。いっさい収益化できてないのに、投資が集まり続けて、時価総額1000億円とか。なぜこんなことができるのか。なぜ、黒字になってない会社に投資する人がたくさんいるのか。どうやらネットワーク効果とか、ハーベストループとかがキーワードらしい。

単語自体は、以前からちょいちょい耳にしていました。ハーベストループとか、ネットワーク効果とかいう言葉を知るだけで、少し考え方を変えられる。でもわざわざ本1冊かけて説明するからには、何かあるのだろう。

それをしっかり理解したくて、本書を手に取りました。

どんな本だったか

ハーベストループとか、ネットワーク効果とかいう言葉だけは知ってる私に、ちょうどよいレベルでした。それぞれの言葉に対する簡単な説明はもちろんのこと、さらに

  • AI、ディープラーニングの登場により、ダブルハーベストループの重要性がめちゃくちゃ増したこと
  • ループを回すのに必要な要素と、その組み合わせ方
  • ループをビジネスモデルと戦略に落とし込むことで、競合を抜き去り置いてきぼりにするやり方
  • 日本がAIとダブルハーベストループの活用に大チャンスを持っていること

などが書かれています。もちろん、具体的に活用していくにはどうしたらいいか、などのステップ論もしっかり書かれており、あとは実践するだけ、というところまで学べるようになっています。
Amazonのジェフ・ベゾスが、レストランのナプキンに書いたという、ダブルハーベストループ。

(元の図から、私が少し意訳しています)

そのエピソードが1~2ページ紹介してある本はめちゃくちゃ多いでしょうが、そこだけをしっかり、実装まで説明した本は初めて読みました。しっかり理解するに値する考え方です。ダブルハーベストループ。 

その中でも何を得たか

とにかくスピードが重要な現代。なにか新しくいいビジネスモデルを思いついても、すぐ広まるし、すぐ真似される。そしてすぐ追い越される。
ところが、このダブルハーベストループを ビジネスモデルに組み込めば、競合に対していつまでも優位を保てるというのです。
そりゃそうですね。ずっと成長し続けるAIをビジネスモデルに組み込むということは、自動かつ高速でPDCAが回り続けるってことですから。後からやったやつは、永遠に追いつけない。
逆に追いかける立場から考えると、一刻も早く始めないとまずい、ということになります。成長するんだから最初はざっくりで良いのです。とにかく始める。

・・・と書いて、気づきました。

結局、AIがどんなに進化したとしても、人間の行動力が源泉になる。
なかなか、身も蓋もない結論です。
だけれど、頭のよさとかじゃなくて行動力が勝負ってことは、ちょっと希望が持てますね。もちろん、正しいやり方をこの本などで学んだうえでの行動力ですけども。

とにかく、やってみよう。

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